※岡崎康行 選
擦り切れしジーパンのやうな青空よギザギザ雲のぽつんと浮かんで
あをぞらに夕光はらむ雲ありて茜の色は誰ぬりたりや
ホームラン打ちし子のゑみ誇らしく監督の顔ほころびゆけり
をちかたに釜山をのぞむ砂浜にハングル文字の落書きありぬ
批評(十一月号の十首)
ぶつだんを家族みんなで買ひにゆき家族みんなで飾るしあはせ
「昭和」がブームになるこの頃、失われたもの失われつつあるものは映画や小説になるという特性を持つ。滅びゆくものはみな美しい。結句で仏壇屋の宣伝文句みたいになったが、百年先の人が読んでも解る、作者の現実のありのままを素直に詠んだ良い歌だ。その「対極」にある歌は寺山修司の「新しき仏壇買ひに行きしまま行方不明のおとうとと鳥」。
あけましておめでとうございます。
今年もいろんな場面を詠んでいきますので、
よろしくお願い致します。
今月は、作品四首と昨年11月号に掲載された作品の批評が掲載されました。
一首目、晴れた日の空をながめて浮かんだ作品。
二首目、夕光(ゆうかげ)が雲にあたった様子。
三首目、少年野球の試合の様子。
四首目、百道浜を散歩していたときに出くわした落書き。※「をちかた」=「遠方」の意
批評の方は、11月に発表したものを結社の先生が更に抽出し、批評して頂いたもの。
二人の先生から批評をいただいたが、総評のみ掲載することとします。
空を「布」と表現したものが何かの歌集にあったような気がする。一首目は、それを意識して作ったものである。しかし、ギザギザの形の雲のみ空に浮かんでいたのは事実で、擦り切れたジーパンという、ちょっとパンクな表現をした。
青空なのに雲がオレンジ色に光っている。まるで、誰かが雲にいたずら書きをしたかのようだった。
小学校低学年(四年生以下)の練習試合。小学三年生の息子が途中守備につき、出場。そして、ワンアウト一塁、二塁で打席に立った。カウントワンスリーからフルスイング!打球はライト前にワンバウンド。しかし、バウンドが高すぎてライトが後逸。足の速い息子は前の走者を追い越しそうになりながらもホームイン!1対3が4対3となり、大逆転!あの厳しい監督の表情がにこやかになった。
海岸を歩いていたら、ハングル文字の落書きがあった。この海のずっと向こう側には、朝鮮半島がある。文字は読めないが、ふるさとを思って書いたものなのだろうか。ふと、気になった。
批評については、本当に感謝感激です。
家族で仏壇やその他の仏具を買いに行ってみんなで飾ったときのことを詠んだもので、
ほのぼのとした雰囲気がつたわるようにひらがなを多用しました。
「カ音が明るく響き繰り返しも効いて」ともありました。
そういえば、そうかな?
という気がします。
この調子で作っていけばいいかなと、自信につながりました。
それから、「結句は別の表現があったかも」「結句で仏壇屋の宣伝文句みたいになったが」
とありました。
そういえば、そうだな。
と思います。
ちょっとベタだったなあ、と。
でも、そのときの気持ちを素直に表現できたと思っています。
別の言い方って、どんな表現が当てはまるだろうか…?!